飲食店経営者向け。Go To Eatキャンペーンについて解説しました。活用方法やデメリットなどをご覧になれます。

【ざっくり】Go To Eatキャンペーンの概要

Go To Eatキャンペーンは、「プレミアム付き食事券の販売」「オンラインの飲食店予約時のポイント付与」により、外食需要を喚起することで、飲食店と飲食店に食材を供給する農林水産業者の支援を目的としています。

制度の詳細は農林水産省のGo To Eatキャンペーンのページで随時更新されます。

農林水産省のGo To Eatキャンペーンのページはこちら

飲食店が恩恵を受けるには

個々の飲食店がGo To Eatキャンペーンの恩恵を受けるには、

  • プレミアム付き食事券を発行する「食事券発行事業者」
  • ポイント付与の対象となる「オンライン飲食店予約サイト」

に登録する必要があります。

9月1日時点では登録方法は発表されていません。

ただし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防対策に取り組んでいることが条件になることは示されています。日本フードサービス協会等が公表しているガイドラインを遵守することが求められそうです。

また、3密対策や感染拡大予防対策のかかる費用の一部を補助する制度を設けている自治体や、一定の感染予防対策を行っている飲食店を認証する制度を設けている自治体も多くあります。ガイドラインに加えて、これらの制度も活用して準備をすれば登録要件を満たせるでしょう。

食事券発行事業者について

食事券発行事業者とは、プレミアム付き食事券の発行や使える飲食店の登録などを担う事業者です。主に、商工会議所などが委託されていることが多いです。8月25日に33都道府県では食事券発行事業者が発表されています。今後、食事券発行事業者を通じて地域の飲食店に登録を呼びかける案内が行われると思われます。

なお、リストに掲載されていない地域は順次発表される見込みです。Go To トラベルキャンペーンのように特定の地域は除外される可能性は低いでしょう。

(参考)食事券はどうやって販売されるのか?

プレミアム付き食事券の販売方法は多くの地域で不明です。

8月31日にいち早く概要が発表された香川県の場合は、

  • 10,000円で12,500円分の利用ができる食事券を42万セット発行する
  • 往復はがきで抽選販売を行う
  • 購入できるのは香川県内在住者のみとする

となっています。地域によって取扱いが異なると思われます。

(参考)地域によっては独自の上乗せがあるかも

プレミアム付き食事券は「地域ごとに独自のプレミアム分を上乗せを認める」という内容が公開されています。地域によっては、25%+αのプレミアムとなり、消費者にとってお得度の高いものになるかもしれません。

オンライン飲食店予約サイトについて

8月25日にGo To Eatキャンペーンのオンライン飲食店予約の委託事業者が13者発表されています。

食べログ、ぐるなび、HotPepperグルメ、retty、ヒトサラなどの運営企業が採択されているので、主要なグルメ予約サイトは対象になりそうです。

オンライン飲食店予約サイトによるGo To Eatキャンペーンの対象になるには、各サイトに登録する必要があります。キャンペーン期間中は各サイトの基本料金はかかりません。ただし、応募要領によると予約ごとに一定の手数料は発生すると思われます。

9月1日時点で、キャンペーンの開始時期や飲食店の登録方法などは未発表です。ぐるなびのみGo To Eatキャンペーンの案内ページが公開されています。

ぐるなびのGo To Eatキャンペーンのページはこちら

オンライン飲食店予約サイトの使い勝手を見極める機会とする

前述の通り、Go To Eatキャンペーン中は、オンライン飲食店予約サイトの基本料金はかかりません。これは、今後オンライン予約の対応やインターネット活用の推進を検討している飲食店にとって、サイトやサービスの使い勝手を見極める機会と捉えることができます。

キャンペーン期間中の数ヶ月使ってみれば、集客効果や管理画面の使いやすさなど、資料や担当者の説明だけではわからないことも実感できるはずです。

もちろん複数サイトに登録する手間や予約を受けるオペレーションの手間も考慮する必要はありますが試してみる価値はあるでしょう。

店舗からもアピールも重要

Go To Eatキャンペーンには、たくさんの飲食店が登録すると予想されます。キャンペーンをきっかけとした来店を増やすには、飲食店側からも、自分の店舗が対象であることを積極的にアピールする必要があります。

その際には、「Go To Eatキャンペーンの対象店舗である」ということだけではなく、旬の食材を使ったメニューの紹介と合わせて、「旬の食材がお得になる」という方向性で周知するといいかもしれません。

また、Go To Eatキャンペーンの期間は忘年会・新年会シーズンと重なります。今回は、新型コロナの影響で「少人数で例年より質の高い料理」を選ぶ傾向が強まるかもしれません。このあたりも考慮して、ウェブサイト・SNS・Googleマイビジネスなどで積極的に情報発信をしてください。

飲食店のデメリット(懸念点)

Go To Eatキャンペーンは、飲食店にとってデメリットとなることもあります。それは、資金繰りの悪化です。

店舗で使われたプレミアム付き食事券が入金されるまでは、店舗で食事券が使われる→食事券を食事券発行事業者にわたす→食事券発行事業者がを振込という流れになります。また、オンライン飲食店予約サイトの場合も、各サイトからの振込になります。

食事券発行事業者やオンライン飲食店予約サイト向けの応募要領には「最低月1回は振込日を設ける」という内容が記載されています。どのくらいの頻度で、振込日が設定されるかは地域ごとの食事券発行事業者やオンライン飲食店予約サイトによって異なると思われます。

少なくとも、入金サイクルの短いキャッシュレス決済と比べると売上が現金になるまでの時間は長くなりそうです。

もう1度資金繰り表を確認する

Go To Eatキャンペーンの入金サイクルも踏まえて、もう1度、半年程度先までの資金繰り表を作成することをおすすめします。場合によっては、新型コロナ関連融資の申込み(追加融資も含む)を早めに検討した方がいいでしょう。

いわゆる「実質無利子・無担保融資」は、日本政策金融公庫によるものは締切は決まっていませんが、民間金融機関によるものは12月末~1月末で締切になります(※都道府県により異なる)。