静岡県浜松市の事業者なら無料で簡単に導入できる「はままつLINEコロナ見守りシステム」について。概要、COCOAとの違い、導入するメリットなどを解説しました。
はままつLINEコロナ見守りシステムとは?
はままつLINEコロナ見守りシステムとは、LINEを使って新型コロナウイルス感染症の感染拡大リスクの抑制を目的としたシステムです。浜松市の事業者は、無料・簡単に導入できます。
大まかには、
- 事業者は浜松市に利用申請をする(オンラインで完結)
- 店舗にQRコードが入った案内を印刷して掲示する
- お客様は来店時にLINEアプリでQRコードを読み取る
- 万が一、自店舗のお客様が陽性になると、同時間帯に利用していた人にLINEでメッセージが届く
- その結果、早期に適切な対応ができて感染拡大に役立つ
というイメージです。
なお、メッセージには店舗名や利用日は記載されません。症状の有無に関わらず相談窓口に連絡するように促す内容が届きます。
浜松市以外の自治体でも活用されている
はままつLINEコロナ見守りシステムは、浜松市独自のシステムではありません。ソーシャルデータバンク株式会社のLiny(リニー)というサービスを活用したもので、東京・秋田・愛媛・滋賀・神奈川など複数の自治体で同様の仕組みが導入されています。なお、市区町村単位でみると浜松市の導入が全国初です。
厚生労働省のCOCOAとの違いは?
COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)
Bluetoothを活用してCOCOAをインストールしている人同士の接触情報を自動的に蓄積します。陽性者が自らCOCOAに情報を登録すると、14日以内に1m以内15分以上の接触をした可能性があるときに通知が届きます。
COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)の詳細はこちら
はままつLINEコロナ見守りシステム
店舗でQRコードを読み込むことで、滞在情報を蓄積します。陽性者がでたときに保健所が行動履歴の調査を行い、同時間帯に店舗を利用していたときに通知が届きます。
まとめると、
- どちらも感染拡大予防を目的としている
- どちらも個人情報の取扱いに配慮されている
- 情報を集める方法が違うので併用が望ましい
ということになります。個々の事業者としては、来店時にはままつLINEコロナ見守りシステムのQRコード読み取りを促すことになります。店内のスペースに余裕があれば、COCOAを周知するポスターも掲示するのも良いと思います。
※COCOAについては、7月28日に日本大学より感染拡大抑止効果に関する研究が発表されています。
導入しているお店・施設の例
窓枠の外と中に「はままつLINEコロナ見守りシステム」のQRコード貼り出してます。こういうシステムは活用していきましょう!https://t.co/WcWvwZmzvp pic.twitter.com/runVudqSBh
— 浜 松 窓 枠 🎶 (@Aw_one_kikaku) July 3, 2020
メルカート間渕では『はままつLINEコロナ見守りシステム』のお願いをしております。
— ▷メルカート間渕 (@mercato0111) July 29, 2020
またクレジットカードの差し込み、マイバックご持参時の袋詰めをお客様にお願いしております。
ご協力お願いします。
🙇#コロナ #コロナ対策 #浜松 #肴町 #メルカート間渕 pic.twitter.com/rCEaLLOdIa
来館の際にはご登録を‼️
— 浜松市美術館 (@hamamatsushibi) July 15, 2020
新型コロナウイルス感染防止「はままつLINEコロナ見守りシステム」浜松市美術館ももちろんやってます!
新型コロナウイルスの感染者が浜松市美術館を利用していた場合、登録した皆さんに情報が流れるシステムです。
来館の際には是非ご登録をお願いします🙏🙏#見守りシステム pic.twitter.com/oAka5JemMu
#はままつlineコロナ見守りシステム 📲#浜松商工会議所 も導入しています!1階西側出入口に設置しています。#感染拡大防止 のため、当館にお立ち寄りの際は是非ご利用ください😊また、ご興味のある事業者の皆さまはぜひ導入をご検討ください。https://t.co/VWcCM87laj pic.twitter.com/Jx9deuZb2W
— 浜松商工会議所【公式】 (@hamamatsucci) July 29, 2020
事業者がはままつLINEコロナ見守りシステムを導入するメリット
1.来店数・売上増加に(少し)つながる
はままつLINEコロナ身守りシステムの導入は、感染拡大予防に前向きなことを周知する材料になります。お客様に安心感をもってもらうことで、来店増加・売上増加に(少し)つながる可能性があります。
導入したら、
- ホームページ・ブログ
- Twitter、Facebook、InstagramなどのSNS
- YouTube
- メールマガジン
- Googleマイビジネスの投稿機能
- PayPayマイストアのお知らせ
- LINE公式アカウント
- テイクアウト・デリバリー商品への案内同封
などあらゆるところでアピールしましょう。
お店のLINE公式アカウントにも登録してもらう
お客様が、はままつLINEコロナ見守りシステムのQRコードを読み取るときはLINEアプリを開きます。例えば、隣に自店舗のLINE公式アカウントのQRコードも掲示すれば登録者が増えそうです。
※浜松市では3密対策が行われている飲食店の認証制度を開始する予定です。こちらも、「認証されている」ことが来店動機になることは多くないでしょう。しかし、はままつLINEコロナ見守りシステムと同様に感染拡大予防への取組みを周知する機会になります。制度がはじまったら認証を受けましょう。
2.今後の採用に(少し)有利になる
はままつLINEコロナ見守りシステムの導入や自店舗の感染拡大予防をしっかり行うことは、店舗の従業員を守ることにもつながります。
今でも「人手不足」が解消したわけではありません。今後も「従業員の紹介による採用」は重要です。自分たちやお客様の安全を軽視する店舗に知り合いを紹介したいとは思わないし、そもそも離職率が高まってしまうかもしれません。
また、外部に求人の案内を出すときにも「安心して働いてもらうために○○の感染予防を行ってきた」と明記できる店舗の方が応募が増える可能性が高いでしょう。
3.ワーストケースの影響を緩和できる
万が一、自店舗でクラスターが発生した場合に、
- 感染拡大予防の対策を行っていなかった
- 感染拡大予防の対策を行っていた
- 感染拡大予防の対策を行い、かつ浜松市のシステムも導入し利用を促していた
なら、やれることはやっていたといえるのは「3」です。
情報公開を行うことになったとき、「自店舗が行ってきた対策」によって関係者の受け取り方が変わるでしょう。
感染拡大予防にかかる費用は3密対策補助金を活用
感染拡大予防にかかるいろいろな費用負担は「浜松市3密対策事業者支援事業費補助金」を活用することで軽減できます。
補助上限額は最大30万円(補助率2分の1)です。補助率2分の1とは、感染拡大予防に合計60万円かかったとしたら、その2分の1の30万円が補助されるということです。申請締切は8月31日です。
※国の小規模事業者持続化補助金の事業再開枠と併用すると、感染予防の取り組みにより多くの補助を受けられる場合があります。詳しくは下記のページで解説しています。
新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を行った(これから行う)小規模事業者は、浜松市3密対策事業者支援事業費補助金と国の持続化補助金という制度を併用することで、より多くの補助を受けられる可能性があります。制度の比較や活用事例などを解説します。
いわゆる誹謗中傷について
新型コロナウイルス感染症に関連して、いわゆる誹謗中傷を受けるような状況に直面したときは弁護士に相談することをおすすめします。顧問弁護士がいないときは、最初の相談先として静岡県弁護士会の無料電話相談が活用できます。
4.地域全体に貢献できる
はままつLINEコロナ見守りシステムは、導入している店舗とQRコードを読み込む人が増えるほど効果が大きくなる可能性が高いです。効果とは、浜松市内の感染を抑制できる確率が高まることです。結果、新型コロナウイルス感染症による経済へのダメージを最小限にできます。