新型コロナ関連 中小企業支援策のやさしめ解説

国は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中小企業や個人事業主向けにいろいろな支援策を実施しています。しかし、現状はいろいろあり過ぎて全体像が少しわかりにくいです。

国の支援策をまとめたパンフレットは、毎日のように更新されていて66ページもあります(4月27日時点)。その中には一部の事業者さんにしか関係しないことも含まれます。

そこで、国のパンフレットの内容を、「お金を借りる系」「お金をもらえる系」「支払いが猶予される系」という3つの視点からまとめ直してポイントを解説しました。

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お金を借りる系

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者にとって最大の問題は「お金が足りなくなる」ことです。国でもこの問題を解決すべく、強力な融資制度を用意しています。

新型コロナ関連の融資の受け方は2パターン

融資制度だけでも「いろいろあって複雑だな」と感じるかもしれません。この点は、融資の受け方は2パターンだけなことがわかると理解しやすくなります。

新型コロナウイルス感染症に関連する融資制度は、

  1. 政府系金融機関の日本政策金融公庫や商工中金から融資を受ける
  2. 信用保証協会の保証を受けて民間金融機関から融資を受ける

いろいろありそうに見えても最終的にどちらかのパターンになります。似たような名前の制度がいくつもあって複雑そうなのはちょっとずつルールが異なるからです。

※政府系金融機関と民間金融機関のどちらかでしか融資を受けられないわけではありません。両方を利用することも考えられます。

政府系金融機関と信用保証協会の役割の違いは?

政府系金融機関も信用保証協会も公的機関といえる組織です。政府系金融機関の日本政策金融公庫や商工中金は直接事業者に融資する、信用保証協会は民間の金融機関(銀行や信用金庫)が融資しやすいように公的な保証人になるという役割の違いがあります。

共通するのは、「新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少している事業者でも融資を受けやすい制度がある」ということです。

商工中金による危機対応融資 は融資対象が中小企業の組合と構成員に限られる等の制約があるため本サイトでは取り上げません。基本的に商工中金と聞いて「何それ?」となる方は、同じ政府系金融機関なら日本政策金融公庫に相談しましょう。

【新型コロナ関連】日本政策金融公庫の実質無利子・無担保融資の解説はこちら 【新型コロナ関連】民間金融機関の実質無利子・無担保融資の解説はこちら

【かなりの事業者が対象】実質無利子・無担保融資

新型コロナに関連する融資制度の柱は実質無利子・無担保の融資です。

当初は日本政策金融公庫が実質無利子・無担保の融資を行ってきましたが、中小企業の資金繰りを円滑に支援するために5月1日から民間金融機関でも同様の融資が始まりました。

両方に共通する主なポイントは、

  • 当初3年間は融資額3,000万円までは実質無利子
  • 元本の返済が猶予される据置期間が最大5年
  • 既往債務を今回の融資条件で借換ができる

です。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者を支援する目的の制度なので、一定の売上減少があることなどの要件があります。しかし、昨今の経済状況を踏まえると多くの事業者が対象になると思われます。新型コロナ関連の融資=実質無利子・無担保の融資制度を検討することが基本となります。

※民間金融機関の融資が実質無利子になるのは、都道府県が利子分を事業者の代わりに支払うからです。

実質無利子の要件

実質無利子になる要件をまとめたものが下記の表になります。なお、表中の小規模事業者は業種と常時使用する従業員数により決まります。卸・小売業・サービス業は5名以下、製造業などその他の業種は20名以下で小規模事業者に該当します。個人事業主と法人の区別はなく、売上規模も関係ありません。

日本政策金融公庫 民間金融機関
前提 新型コロナウイルス感染症特別貸付など、売上が5%以上減少しているときに対象となる融資制度で貸付を受けていること セーフティネット保証4号、セーフティネット保証5号、危機関連保証のいずれかのセーフティネット保証制度の認定を受けていること
個人事業主の売上減少率 小規模事業者 要件なし 5%以上
(※セーフティネット保証制度のいずかの認定を受けられる時点で該当)
小規模事業者以外 20%以上 15%以上
(※セーフティネット保証4号か危機関連保証制度の認定を受けられると該当)
法人の売上減少率 小規模事業者 15%以上 15%以上
(※セーフティネット保証4号か危機関連保証制度の認定を受けられると該当)
小規模事業者以外 20%以上 15%以上
(※セーフティネット保証4号か危機関連保証制度の認定を受けられると該当)

実質無利子の意味

日本政策金融公庫の「実質無利子」は、日本政策金融公庫には利子を支払い、後から国の特別利子補給という制度によって支払った利子が戻ってくる流れになります。特別利子補給の手続きなどの詳細は5月1日時点で発表されていません。

民間金融機関の「実質無利子」は、都道府県によって流れが異なります。最初から利子を支払う必要がない場合と、日本政策金融公庫のように後から都道府県より支払った利子分が戻ってくる場合があります。

新規で融資を受ける際に既往債務の借換ができる

実質無利子となる政府系金融機関の融資と信用保証付き融資ではいずれも既往債務の借換ができます。

例えば、現時点で日本政策金融公庫から利子1.8%で800万円の借入をしている事業者さんが、新たに新型コロナウイルス感染症特別貸付により500万円の融資を受けるとします。

このときに既往債務の800万円分の借換をすると、合計の1,300万円が新型コロナウイルス感染症特別貸付と同じ条件(3年間は実質無利子)の借入になるイメージです。利子負担の軽減など返済負担が軽くなります。

※本制度を利用した既往債務の借換は、新型コロナウイルス感染症特別貸付などの新規融資を申し込んだ場合に利用できます。既往債務の借換のみの利用はできません。

日本政策金融公庫と民間金融機関のどちらに相談するか?

既往債務がある場合

新型コロナ関連の融資制度の特徴の一つは既往債務の借換ができることです。既往債務とは現在の借入金のこと。既往債務の借換とは、現在の借入金を新型コロナ関連の実質無利子・無担保融資の条件に借換ができる(※)という意味です。

今回、新規の融資を受けるときに既往債務の借換ができれば、借入金の総額は増えても返済負担は比例して大きくなりません。

既往債務の借換えのイメージ図

既往債務がある金融機関に借換を前提に相談してみましょう。

※実質無利子の融資制度への借換可能額は新規の借入と合わせて3,000万円です。

既往債務がない場合

無借金経営で既往債務がないときは、

  • 日本政策金融公庫への相談・申し込み
  • 民間金融機関への相談・申し込み

を並行して準備しましょう。

一般的には、規模の小さな事業者は日本政策金融公庫の方が融資を受けやすいです。しかし、日本政策金融公庫はかなり申し込みが多く地域によっては融資までに時間がかかります。そのため、並行して準備するのがおすすめです。

民間金融機関はどこに相談するか?

民間金融機関は、普通口座だけでも良いので何らかの取引があるところを選ぶとスムーズです。ただし、新型コロナ関連の中小企業向け融資にどのくらい積極的に取組むかは金融機関によって異なります。例えば、全く取引がなくても地域に密着した信用金庫の方が前向きに対応してくれる場合もあります。

迷ったときは、近くの金融機関に「御行(御庫)で新型コロナ関係の融資を受けたいと考えています。これまでに取引はありませんが対応していただけますか?」という内容の問合せをしてみましょう。

【もっと詳しく】日本政策金融公庫の実質無利子・無担保融資の解説はこちら 【もっと詳しく】民間金融機関の実質無利子・無担保融資の解説はこちら
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お金をもらえる系

中小企業や個人事業主が活用できる「お金をもらえる系」の支援策を解説していきます。

ざっくりいえば、

  • 売上がすごく減っている事業者がもらえる給付金
  • こんなときでも新しいことに挑戦する事業者がもらえる補助金
  • 雇用を守るために休業手当等を支払う事業者がもらえる助成金

があります。

すごく売上が減少した事業者のための持続化給付金

持続化給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響で売上が50%減少した月があるときに、法人は最大200万円、個人事業主は最大100万円が給付される制度です。

売上50%以上減少の対象については、2019年に創業したばかりの場合、法人成りした場合、売上の季節変動が大きい場合、事業承継した場合など、かなり特例の幅が広いです。単純な前年同期の比較が難しいときも売上が大きく減少している場合は対象になる可能性があります。持続化給付金のホームページからルールを確認してください。

対象

資本金10億円以上の大企業を除く、中堅・中小法人、個人事業者。※ここでの中堅企業とは資本金10億円企業という意味。

給付額の計算
  • 前年の総売上(事業収入)-(前年同月比で50%以上減少した月の売上×12ヶ月)。
  • 法人の前年は原則2019年度、2019年度の確定申告が終了していない場合は2018年度でも可。
要件
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で売上が前年同月比で50%以上減少していること
  • 今後の事業継続意思があること
申込み方法 持続化給付金公式サイトより
いつ給付されるか? 申請内容に不備がなければ、受付後2週間程度で振込。

新しい挑戦を支援する3つの補助金

売上アップ、業務のIT化推進、生産性向上など事業者さんが行う新しい挑戦を応援する補助金に「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「ものづくり・商業・サービス補助金」があります。いずれも新型コロナウイルス感染症の影響がなくても実施されていたものです。

新型コロナウイルス感染症に関連する追加の支援策として、

  • 新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少しているなら加点される(採択されやすくなる)
  • 特別枠の要件を満たすと補助額や補助率がこれまでより大きくなる(たくさん補助金がもらえる)

などが発表されています。

補助金をもらるのは少し先

すべての補助金は、申請→審査→採択→事業実施→報告を経て補助対象額が支払われます。つまり補助金で行う事業にかかるお金は先に支払います。補助金や事業によって異なりますが、申請から入金までは1年近くかかると考えて資金計画を立てる必要があります。

小規模事業者持続化補助金

小さな会社や個人事業主(フリーランスを含む)の販路開拓など売上アップに関係する取組みを応援する補助金です。

対象 小規模事業者
補助額 最大50万円(特別枠は最大100万円)
補助率 3分の2
想定される活用例
  • ホームページの作成やリニューアル
  • 自社の商品を販売する通販サイトの開設
  • 旅館が自動受付機を導入し省人化する
  • 飲食店がテイクアウトやギフト用の商品を開発する
  • 理美容室がバリアフリー対応を行う
  • その他、かなりいろいろなことに使えます。過去の事例はこちら
関連情報
小規模事業者持続化補助金の詳しい解説はこちら

IT導入補助金

中小企業のITツール導入による生産性向上や業務効率化等を支援する補助金です。

対象 中小企業・小規模事業者等
補助額 30~450万円
補助率 2分の1(特別枠は3分の2)
想定される活用例
  • 在宅勤務制度を行うため業務効率化ツールと共にテレワークツールを導入する
  • 需要予測や仕入れ単価を見える化できる販売管理システムを導入する
  • タイムカードと給与管理システムが連動する給与管理システムを導入する
関連情報

ものづくり・商業・サービス補助金

新製品・サービス開発や生産プロセス改善等のための設備投資等を応援する補助金です。

対象 中小企業・小規模事業者
補助上限 原則1,000万円
補助率 中小企業は2分の1、小規模事業者3分の2
(特別枠は一律3分の2)
想定される活用例
  • 自社で部品の内製化を図るために設備投資を行う
  • 新商品の生産効率を高める新たな製造設備を導入する
  • 中国の自社工場が操業停止し、国内に拠点を移転する
関連情報

補助率ってどういう意味?

例えば、補助率3分の2の小規模事業者持続化補助金なら、75万円の費用がかかる補助事業を行ったときに、その3分の2の50万円を補助するという意味です。

補助金の対象となる事業にかかった金額×補助率=補助金となります。金額は各制度で定められた補助額の上限までとなります。

雇用を守り抜くための助成金

雇用調整助成金の特例

雇用調整助成金は、経済環境の変化で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業や教育訓練等)を実施することで従業員の雇用を維持した場合に休業手当の一部を助成する制度です。

新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、

  • 助成率の拡大(中小企業は休業手当の最大90%)
  • 生産性要件の緩和による対象事業者の拡大
  • 雇用保険の被保険者も対象
  • 計画書は事後提出でもOK
  • 小規模事業者のさらなる計算簡略化
  • オンライン申請の開始(5月20日より)

などの特例が実施されることになりました。

平常時 緊急対応期間(4月1日~6月30日)
対象 経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(全業種)
生産指標要件 3ヶ月10%以上低下 1ヶ月5%以上低下
対象となる従業員 雇用保険の被保険者 雇用保険の被保険者以外も対象(アルバイトなども)
助成率
  • 中小企業は休業手当の3分の2、大企業は休業手当の2分の1
  • 中小企業は休業手当の5分の4、大企業は休業手当の3分の2
  • 解雇等を行わない場合は中小企業は10分の9、大企業は3分の4
助成金額 従業員1人につき1日最大8,330円 従業員1人につき1日最大8,330円
計画届けの提出 事前提出 事後提出を認める(1月24日~6月30日まで)
クーリング期間 1年のクーリング期間が必要 クーリング期間の撤廃。※1年以内に雇用調整助成金を受けていてもOK。
被保険者である期間 6ヶ月以上 撤廃。※新入社員なども対象に。
支給限度日数 1年間で100日、3年間で150日 1年間で100日、3年間で150日に加えて4月1日~6月30日に該当する日数。

さらに、上記の特例に加えて都道府県ごとに独自の上乗せを行っている場合があります(例:愛媛県の緊急地域雇用維持助成金 )。雇用調整助成金を申請する際には都道府県が独自で行っている制度も活用できないか確認してください。

雇用調整助成金の申請はかなり複雑です。しかし、最近書類の作成負担が軽減されました。わからないことは都道府県労働局 になんでも質問してください。

人員削減は最後の最後の手段

日本は今でも人手不足であることを忘れないでください。今回人員削減をして、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いてから従業員を採用しようとしても難しいことは容易に予想できます。

雇用調整助成金の特例を活用して雇用維持を最優先に考えてください。採用や教育にかかるコストを考慮すると、合理的な選択となる中小企業が多いはずです。


※5月1日より、休業要請を受けている事業者などを対象に助成率を100%にすることが発表されました。また、手続きについてもオンラインで完結するように準備が進められています。雇用調整金については、今後も制度の拡大や申請方法の変更が見込まれます。厚生労働省のホームページより最新情報を確認してください。

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金

新型コロナウイルス感染症の影響による小学校等の臨時休業で仕事を休まないといけなくなった保護者の皆さんを支援する制度です。雇用形態(正規・非正規)は問われません。

対象期間 令和2年2月27日から6月30日
※春休みや土日等で元々学校が休みの日は除く
要件

次の1又は2の子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇を取得させた事業主。

  1. 新型コロナウイルス感染症に関する対応として、臨時休業等した小学校等に通う子ども
  2. 新型コロナウイルスに感染した又は風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある、小学校等に通う子ども

※労働基準法上の年次有給休暇とは別途

助成内容 対象となる労働者に支払った賃金の10分の10(100%)。ただし1人あたりの1日分の上限は8,330円。
申請期間 令和2年3月18日から9月30日
申請者 事業者
関連情報
  • 厚生労働省による案内
  • テレワークを導入するための支援と助成金

    テレワークマネージャー派遣事業(総務省)

    テレワークに詳しい専門家(テレワークマネージャーという)から、ウェブ会議か電話によるコンサルティングを無料で受けられます。

    時間外労働等改善助成金特例コース(テレワークコース)(厚労省)

    新型コロナウイルス感染症対策として、新たにテレワークを導入した中小企業事業主を支援する制度です。最大100万円まで(※補助率2分の1)助成されます。

    対象となる経費には、

    • テレワーク用通信機器の導入・運用
    • 就業規則・労使協定等の作成・変更
    • 労務管理担当者に対する研修
    • 労働者に対する研修、周知・啓発
    • 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

    などがあります。

    慌てると無駄な投資になるリスクがある

    この制度は上手に活用できればテレワーク導入の負担を軽減できますが、申請書の締切に合わせて無理な導入を進めてしまうと意味のない出費になってしまうリスクがあります。

    現状でテレワークを未導入の中小企業は、先に「1.テレワークマネージャー派遣事業(総務省)」を利用して自社に適したテレワークのあり方を十分に検討してから投資を決めてください。

    給付金・補助金・助成金の違い

    ここまでに登場した給付金・補助金・助成金の違いを簡単にまとめておきます。

    給付金 補助金 助成金
    対象 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて50%以上売上が減少している月がある事業者 中小企業や小規模企業の要件を満たす事業者 各助成金の要件を満たす事業者
    審査(※1) なし あり なし
    金額 法人は最大200万円、個人は最大100万円 補助金により異なる(50万円~1000万円) 従業員に支払う賃金や休業手当により異なる
    入金時期 未定 申請から1年後くらい 申請から2ヶ月後くらい(※2)

    ※1 補助金は審査の結果、不採択となる可能性があります。給付金と助成金は要件を満たせば原則給付及び助成を受けられます。
    ※2 雇用調整助成金は、手続きの簡略化やオンライン申請により1ヶ月程度で入金できるようにすることが検討されています。

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    支払い猶予系

    国の中小企業や個人事業主向けの支援策のうち「支払い猶予系」の制度を解説していきます。

    主に税金や社会保険料の支払いを待ってもらって資金繰りを改善しようというものです。

    納税猶予の特例

    新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた新しい納税猶予の制度が設けられています。

    次の2つの条件を満たすと、延滞税なし・無担保で1年間の納税猶予が認められます。

    1. 令和2年2月以降の任意期間(1ヶ月以上)で、事業等の収入が前年同期と比較して20%以上減少していること
    2. 一時的に納税が困難であること

    ※収入が20%以上の減少を満たしていないときも、別制度により納税猶予が認められる場合があります。

    税金は、「国に支払うもの」「都道府県に支払うもの」「市区町村に支払うもの」に分かれています。納税猶予の申請先もそれぞれ別々です。

    厚生年金保険料等の猶予制度

    法人の事業者さんや一定の要件を満たす個人事業主さんは、毎月それなりの金額の厚生年金保険料を支払っています。厚生年金保険料は、換価の猶予か納付の猶予の申請によって、分納での支払いを認められる場合があります。新型コロナウイルス感染症対策の影響を踏まえて申請や審査が簡素化されています。

    電気・ガス代の支払い猶予

    経済産業省は、電気・ガス事業者に対して、契約者が個人か法人かに関わらず新型コロナウイルス感染症の影響によって支払い困難な事情があるときは柔軟に対応するように要請を出しました。

    4月9日時点では電気・ガス事業者のホームページには法人向けの対応についてのリリースは確認できていません。電力・ガス会社に直接ご相談ください。

    固定資産税等の軽減

    1.固定資産税・都市計画税の減免

    2021年度(令和3年度)の固定資産税及び都市計画税が、売上の減少幅に応じて全額免除または2分の1となる制度です。

    今年度ではなくて来年度のことです。今年度の固定資産税は、先に書いた納税の猶予の特例に該当すると1年間猶予できます。この制度と組み合わせると今年度の固定資産税を来年支払い、来年度の固定資産税は減免を受けるということが可能になります。

    2021年度の固定資産税減免の条件は下記の表の通りです。

    2020年2月~10月までの任意の3ヶ月間の売上高の対前年同期比減少率 減免率
    30%以上50%未満 2分の1
    50%以上減少 全額

    2.固定資産税の特例(固定ゼロ)の拡充・延長

    現在も投資後3年間は固定資産税が免除される特例があります。今回はさらに対象となるものが増えるのと、特例の期限が2021年3月末までから2年間延長されることになりました。

    4月9日時点で「固定資産税・都市計画税の減免」「固定資産税の特例(固定ゼロ)の拡充・延長」に手続き等の詳細は発表されていません。

    全体のまとめ

    新型コロナウイルス感染症関連の支援策は要件を満たす限り併用できます。

    実質無利子の融資制度で運転資金を確保して、持続化給付金を一時の足しにして、小規模事業者持続化補助金を使ってホームページにリニュアルして、雇用調整助成金で従業員に支払った休業手当を受け取る、といったパターンなどが考えられます。使えるものはすべて使いましょう。

    ただ、すべて申請が必要です。事業者さんだけで申請手続きを把握するのは大変かもしれません。わからないことは支援策ごとの相談窓口に何でも・何度でも聞いてください。わからないことがあるたびにしつこく電話して全然OKです。

    ※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために最初から窓口を訪問するのは止めましょう。多くの機関が平日だけでなく土日祝日も電話対応を行っています。

    また、自社がどんな支援策を使えるのかよくわからないときは商工会議所かよろず支援拠点に連絡してみましょう。

    そのときは支援策の質問だけでなく、あなたが何に困っているのか?も話してみてください。国以外にも都道府県や市区町村が独自で行っている支援策もたくさんあるので、あなたが考えていたものとは別の支援策が使える可能性があるからです。

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