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【解説】儲かると納付?持続化補助金の「収益納付」について

持続化補助金 収益納付の解説

小規模事業者持続化補助金の収益納付について解説したページです。(1)収益納付の考え方や計算例を理解したい(2)応募申請時にJgrantsにどのように入力すればよいかを知りたい人に役立ちます。

※このページの内容は、「小規模事業者持続化補助金(一般型)第13回受付締切分」に準拠にしています。

収益納付とは?

収益納付とは、「補助事業で収益が発生したら、補助金の交付額を上限として、国に納付してください。」という考え方です。補助金適正化法第7条2項などを根拠として、補助金ごとにルールが決められています。

このページで説明している内容は、小規模事業者持続化補助金の収益納付についてです。ものづくり補助金や事業再構築補助金はルールが異なります。

小規模事業者持続化補助金の収益納付について

ポイント

小規模事業者持続化補助金の収益納付について理解すべきポイントは、以下の6点です。

  1. 補助事業の完了までに、補助金により直接生じた収益が収益納付の対象となる。
  2. 「補助事業の完了」とは、(1)補助事業計画に記載した「販路開拓等の取組内容」(2)補助対象経費の支払いの両方が完了していることを指す。補助事業の完了日より後に発生した収益は、収益納付の対象にならない。
  3. 「補助金により直接生じた収益」は、「補助事業と収益発生の因果関係がはっきりしている収益」であり、表1のような場合が考えられる。
  4. 「収益」とは、補助事業の売上から、その売上を得るために必要な経費を差し引いたものをさす。法人や個人事業全体の売上とは関係がない。
  5. 収益納付の額は、収益の全額ではない。補助対象経費のうち、自己負担分を控除するなどの計算過程がある。
  6. 収益納付が発生した場合は相当額を振込等で納付するのではなく、あらかじめ補助金額から減額された金額が振り込まれる。

補助金により直接生じた収益の例

どのような場合が、「補助金により直接生じた収益の例」に該当するかは、小規模事業者持続化補助金事務局のウェブサイトで公開されている参考資料で説明されています。

表1:「補助事業による直接生じた収益」の例
対象となり得る内容 補助対象経費の区分
補助金を使って購入した設備で生産した商品の販売・サービスの提供による利益 機械装置等費
補助金を使って構築した自社のネットショップの活用での販売や、他社の運営するインターネットショッピングモールでの販売による利益 ウェブサイト関連費
補助金を使って実施または参加する展示販売会での販売による利益 展示会等出店費
補助金を使って開発した商品の販売による利益 開発費
販売促進のための商品PRセミナーを有料で開催する場合に、参加者から徴収する参加費収入 借料

計算方法

収益納付の計算例をご説明します。

表2:収益納付額の計算例
金額 備考
A:補助金額 500,000円 補助金として交付される見込み額。補助対象経費に補助率を掛ける金額。
B.補助対象経費 750,000円 自己負担分も含めた補助対象経費の合計。補助率を掛ける前の金額。
C.補助事業に係る売上額 600,000円 補助事業によって直接生じた売上。
D.収益額 300,000円 C.補助事業に係る売上から、製造原価やその他経費を差し引いた金額。
E.控除額 250,000円 B.補助対象経費から、A.補助金額を差し引いた金額。補助対象経費の自己負担分。
F.納付額 33,334円 納付額の計算。(D.収益額-E.控除額)÷(A.補助金額÷B.補助対象経費)となる。

この例では、補助事業の完了までに30万円の利益があったとしても収益納付すべき額は33,334円です。少し計算は複雑ですが、利益がでた分だけ補助金が減額されるわけではないことはイメージできると思います。

申請時の手続き

Jgrantsの「補助事業に関して生ずる収入金に関する事項」で「①収入金有り」を選択して、該当事項を記入します。該当事項には、「生産機械でチョコレートを販売する売上」「ECサイトからの販売による売上」「参加者から徴収する参加費収入」「展示販売会での販売による利益」などのように端的に記載します。

実績報告時の手続き

収益納付に係る報告書(別紙4)を提出します。その際、「補助事業に係る収益額等の算定に必要な資料」も添付します。こちらの様式は任意です。