持続化補助金 収益納付について解説

小規模持続化補助金の収益納付について解説しました。収益納付の意味や、収益納付の計算方法(どのくらい利益がでたら、どのくらい補助金が減るのか?)がわかります。

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収益納付とは?利益がでたら補助金が減るの?

持続化補助金の収益納付とは、補助事業の期間中に補助金を使ったことから直接発生する収益があると補助金額から差し引かれるものです。公募要領には、次の記載があります。

【参考6】収益納付について
「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」等の規定により、補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)の結果により収益(収入から経費を引いた額)が生じた場合には、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を国庫へ返納していただく場合があります(これを「収益納付」と言います)。本補助金については、事業完了時までに直接生じた収益金について、補助金交付時に、交付すべき金額から相当分を減額して交付する取扱いとなります

これを読むと、「販路拡大の補助金なのに、儲かったら補助金が減るなんて…。」と思ってしまいます。結論を先にいえば、収益がでた分だけ補助金額が減ってしまうわけではありません。

収益納付のイメージ
持続化補助金 収益納付のイメージ

【直接発生した収益とは?】収益納付に該当する例・該当しない例

公募要領に書かれているように、収益納付に該当するのは「直接発生した収益」です。直接発生した収益とは、補助金を使ったことと収益の因果関係がはっきりしているかどうかで判断されます。

該当する例

持続化補助金の公募要領に収益納付に該当する例として、次の1~5が書かれています。

  1. 補助金を使って購入した設備で生産した商品の販売・サービスの提供による利益(機械装置等費等が補助対象の場合)
  2. 補助金を使って構築した自社のネットショップ(買い物カゴ、決済機能の付加)の活用での販売や、他社の運営するインターネットショッピングモールでの販売による利益(広報費が補助対象の場合)
  3. 補助金を使って実施または参加する展示販売会での販売による利益(展示会等出展費等が補助対象の場合)
  4. 補助金を使って開発した商品の販売による利益(開発費等が補助対象の場合)
  5. 販売促進のための商品PRセミナーを有料で開催する場合に、参加者から徴収する参加費収入(借料等が補助対象の場合)

「持続化補助金の対象経費として申請した機械で作った製品が売れた」など、因果関係がはっきりしているときだけ収益納付に該当します。

該当しない例

一方、持続化補助金の公募要領に収益納付に該当しない例として、次の文章が書かれています。

なお、「商品の生産やサービスの提供に直接関わりをもたない備品の購入」、「チラシの作成や配 布」、「ホームページの作成・改良(ネットショップ構築を除く)」、「広告の掲載」、「店舗改装」な どは、収益との因果関係が必ずしも明確でないため、ここでいう「補助金により直接生じた収益」 には該当しないと考えます。

これらは、因果関係がはっきりしないので該当しません。チラシ配布やホームページを作成で来店は増えるかもしれませんが、「チラシを配布したから○○人来店が増えて、さらに○○円売上があった」ことを計測するのは難しいからです。

収益納付の計算方法

収益納付の計算方法は、持続化補助金事務局の採択者向けページにある「記入例 収益納付に係る報告書(PDF)」から確認できます。

ここでは、コロナ特別対応型の類型B「非対面型ビジネスモデルへの転換」で通販サイトをつくった場合を想定して計算例を解説します。

金額 計算方法
A:補助金額 900,000円 コロナ特別対応型の補助率4分の3のケースなので、B:補助対象経費×4分の3で900,000円になります。
B.補助対象経費 1,200,000円 補助対象経費の合計です。補助率を掛ける前の数字です。
C.補助事業に係る売上 600,000円 補助事業によって直接生じた売上です。補助金で作った通販サイトから発生した売上が該当します。
D.収益額 350,000円 C.補助事業に係る売上から、製造原価や販売管理費を差し引いた金額です。要するに利益のことです。このケースでは、製造原価と販売管理費が250,000円として計算しています。
E.控除額 300,000円 収益額から控除される金額を計算します。B.補助対象経費から、A.補助金額を差し引いた額
F.納付額 37,500円 収益納付する金額を計算します。(D.収益額-E.控除額)÷(A.補助金額÷B.補助対象経費)です。

このケースなら、補助事業の期間中に60万円の売上があり35万円の利益があったとしても収益納付すべき額は37,500円です。少し計算は複雑ですが、利益がでた分だけ補助金が減額されるわけではないことはイメージできると思います。また、収益納付があったとしても事業者の利益が大きいこともわかります。

なお、表中の「D.収益額」を計算する製造原価や販売管理費は自己申告です。この点の根拠を記載する書類はありません。通販サイトの場合の販売管理費では、ページの更新、問合せ対応、発送業務などにかかった人件費を合理的に計算して販売管理費に含めることができます。

補足

収益納付を少なくする裏技はあるの?

ありません。収益納付を過小に申告するのは不正です。

ただし、補助事業の内容によっては、必要のない収益納付を発生させないことはできます。補助事業が終了したら速やかに実績報告書等の手続きをすることです。

例えば、補助事業で通販サイトを作成した場合、そのテイクアウト用サイトから注文があれば収益納付に該当します。しかし、収益納付は補助事業の完了時までに発生した分が対象なので、テイクアウト用のサイトができた段階で実績報告等が完了すれば、それ以後に注文があっても収益納付には該当しません。

申請時に収益納付が発生するかわからないときは?

持続化補助金の申請時には、補助事業に関して生ずる収入金に関する事項に収益納付が発生するかどうかを記入する欄があります。

申請時にわからないときは、「いいえ」に○をして構いません。その上で、実績報告等の際に収益納付が発生したときには申告します。

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