持続化補助金 コロナ特別対応型 記入例・書き方の解説

小規模事業者持続化補助金「コロナ特別対応型」の経営計画書の記入例です。経営計画書の項目ごとの書き方やポイントも解説しています。すべて無料でご覧になれます。

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あなたが作成した持続化補助金の経営計画書をこのページを書いている中小企業診断士が添削します。「経営計画書を書いたけれど内容に不安がある」「 経営計画書を専門家の視点を加えてブラッシュアップしたい」という方はご相談ください。

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このページの概要

小規模事業者持続化補助金「コロナ特別対応型」の申請書類のうち、経営計画書(様式2)の「計画の内容」の記入例(サンプル)を作成するときのポイントをご覧になれます。

持続化補助金(一般型)の事務局ウェブサイトの記入例になる海鮮居酒屋をモチーフにして、「もし同じ海鮮居酒屋がコロナ特別対応型に申請していたら?」というテーマにしています。地方都市のロードサイドにある海鮮居酒屋がテイクアウト販売や新商品の開発に取組むことを想定した内容です。

【参考】持続化補助金一般型の記入例はこちら

1.新型コロナウイルスの影響を乗り越えるための投資の類型

  • A:サプライチェーンの毀損への対応
  • B:非対面型ビジネスモデルへの転換
  • C:テレワーク環境の整備
補足
  • 持続化補助金のコロナ特別対応型は、補助対象経費の6分の1以上がA~Cのいずれか(または複数)に該当する必要があります。該当する項目に忘れずにチェックをつけましょう。

2.事業概要

自社の概要

【設立の経緯】

  • 当社は1985年に設立された海鮮居酒屋である。設立以来「地元の新鮮な魚介類を美味しく味わっていただくこと」を理念として営業している。
  • 代表者の持続化太郎は、○○漁港近くの食堂や旅館で料理人として経験を積んだ後、当地で海鮮居酒屋を設立した。

【店舗情報】

  • 営業日は週6日(定休日は月曜日)、営業時間は11時~14時、18時~23時である。
  • 人員体制は、厨房2人、接客2名(3人がシフト制)である。
  • 店舗は国道○号沿いに立地、駐車場は20台分のスペースがある。
  • 店舗面積は約30坪、席数は50席である。
  • 従業員とお客様の健康のために、平成30年4月より全時間帯禁煙としている。

【商品や売上の状況】

  • 当社では主に地元の漁港でとれた新鮮な魚介類を使ったメニューを提供している。
  • 売上の内訳は、全体の60%が周辺に立地する企業の従業員が訪れるランチ(単価平均900円)、残りの20%ずつが6人以上による宴会と5人以下の少人数による夕食(単価平均2,100)円となっている。

【当社の強み】

  • 地元漁港と漁師4名と専売契約を結んでいるため新鮮な魚介類の仕入れができる。
  • 調理を担当する代表と専務は料理人としての経験が豊富であり、鮮度の高いネタの良さを引き出す料理を提供できる。
  • 料理の質や味については評価が高く、2016年には雑誌○○に「○○県の名店 100選」として取り上げられたこともある。
  • 積極的に広告活動を行ったことがなく情報発信力が不足している。

【当社の弱み】

  • 積極的に広告活動を行ったことがなく情報発信力が不足している。
補足
  • 審査員への自己紹介のつもりで、どんな事業を行っているかを簡潔に伝えます。詳しめの会社概要のイメージです。設立の経緯、営業の状況、売上の内訳などを記載するとよいでしょう。

市場動向

  • 当店は、交通量の多い国道沿いに立地し、周辺には企業が多いことから来店を前提とした飲食店としては恵まれている。昼の時間帯は、周辺の企業に勤務する従業員の利用が多い。夜の時間帯は、団体や家族連れの利用が多い。
  • RESASによると、当社が所在する○○市の老齢人口の割合は2015年時点で26.5%、2040年の予測は40.5%であり、少子高齢化が進展すると見込まれる。
  • 日本フードサービス協会の外食産業市場規模推計の推移によると、居酒屋の市場規模はここ10年ほど横ばいとなっている。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響により、大きく減少する可能性が高い。
  • 魚の健康効果が定期的にメディアで報道されることから、健康に気を使う人を中心に「魚は身体に良い」という認知が浸透しつつある。このことは新鮮な魚介類を主力とする当店にプラスであると考えられる。
補足
  • 「市場動向」という言葉に明確な定義はありません。一般的に経営分析などで使われる意味や持続化補助金事務局の記入例から解釈すると、自社の顧客層・自社に影響を与える人口や属する業種・自社の主力商品に対する顧客の認知を「市場」として考え、その現状や今後の見通しを「動向」として簡潔にまとめるのがよいでしょう。
  • いずれにしても精緻な分析ではなく、自社が置かれた状況をある程度客観的に理解しているかが評価されると考えられます。

経営方針

  • 地元の漁港でとれる新鮮な魚介類を、さらに多くの人に味わっていただくことで、自社・顧客・仕入先(漁港の漁師など)の三方よしの実現を経営方針としている。
  • 従来からの経営方針に加えて、質の良い魚介類を仕入れができることを活かして、テイクアウト販売や加工品の開発に取り組み、新型コロナウイルス感染症による店舗売上の激減を補う方針である。
補足
  • 経営方針は、従来からの経営方針と新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた新たな方針を記載するとわかりやすいです。
  • 計画の内容は最大5枚までという明確な制約があります。審査の優先順位としては、「3.新型コロナウイルス感染症による影響」「4.今回の申請計画で取組む内容」「5.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果」の方が高いと考えらます。本項の「2.事業概要」に紙幅ととり過ぎないようにしてください。余裕があれば、会社や店舗の写真などを掲載してもOKです。

3.新型コロナウイルス感染症による影響

売上減少の状況

  • 2020年3月以降の売上は前年同月と比較して大きく減少している(図表1)。
図表1
2019年 2020年 減少率
2月売上 ○○円 ○○円 8.8%
3月売上 ○○円 ○○円 32.5%
4月売上 ○○円 ○○円 68.2%
5月売上 ○○円 ○○円 62.5%
  • 当社では、感染者が増加傾向にあった2月下旬頃から来店が減少しはじめた。特に売上減少への影響が大きかったのは「1.近隣企業のテレワーク導入によるランチ時間帯の来店減少」「2.春の歓送迎会シーズンの団体予約のキャンセル」「3.ゴールデンウィーク中の休業要請」である。
  • 売上の過半を占めるランチ時間帯はそもそも企業の従業員が出勤していないため来店が6割減少した。1年のなかでも団体客がもっとも増える歓送迎会シーズンは9割の予約がキャンセルとなった。遠方からの来店も目立つゴールデンウィークはテイクアウト営業のみとなった。これらの状況から売上への影響は甚大だった。
補足
  • 売上減少の状況がわかる表は必須です。新型コロナウイルス感染症の影響により、「どのくらい売上が減少したのか?」「なぜ減少したのか?」の2点は必ず説明する必要があります。

今後の見通し

  • 厚生労働省が発表した「新しい生活様式」を踏まえると、当面は飲食店として従来のような営業は難しいと思われる。よって、このままでは売上減少が続くと考えている。
  • 当社では3月下旬より一部メニューのテイクアウト販売を開始している。しかし、従来の売上をカバーするには至っていない。持続的に事業を継続するには、テイクアウトなどの「非対面ビジネスモデル」を新たな売上の柱にできる取組が必要があると認識している。
補足
  • 申請時以降も売上減少が継続する可能性が高いなら今後の売上見込にも言及するとよいです。その際も、新型コロナウイルス感染症の何が影響するのか?も合わせて書きましょう。

4.今回の申請計画で取組む内容

事業名

ウェブ注文受付と新商品開発によるテイクアウト等の販売強化事業

補足
  • 30文字以内記載と明言されています。1文字でもオーバーしてもいけません。なお、これまでの持続化補助金の採択結果を踏まえると、事業名の最後に「○○事業」と付けなくても構いません。

計画内容

1.テイクアウト用のホームページの機能拡大

  • 当社ではテイクアウト販売に対応するために、3月下旬より既存メニューのテイクアウト専用のホームページを開設した。今後はホームページ上から注文と決済ができるように機能を拡大して、電話注文や来店後の支払いの手間を減らして利便性を高めていく。
  • また、現状のホームページはメニューと価格の簡易的な情報掲載にとどまっているが、今後は画像や動画などを使いながら、メニューごとの特徴をわかりやすくする。合わせてデザイン面もリニューアルする。特に、地元漁港の新鮮な魚介については食材の質の高さが伝わるように留意する。
  • スケジュールとしては、5月○日までに注文・決済システムの選定とデザインリニューアルの打ち合わせ、6月○日までにリニューアルしたホームページの公開という流れを予定している。
  • この計画によるテイクアウトの販売数と売上の目標は次の通りである(図表2)。
図表2
2020年6月 2020年7月 2020年8月 2020年9月 2020年10月
販売数量 ○○個 ○○個 ○○個 ○○個 ○○個
売上 ○○円 ○○円 ○○円 ○○円 ○○円
補足
  • コロナ特別対応型は経費の遡及適用があります。既に開始している事業がある場合も、ここで書く補助計画に書いて構いません。
  • 計画の内容の合計5枚の制限に対して余裕があれば、テイクアウトをしているメニューの写真などを掲載してください。他の項目についても同様ですが、飾りのための写真のために書くべきことを削ると意味がありません。あくまでも「書類に文字で書いてあること」で審査されると考えてください。

2.日持ちする新商品の開発

  • 当社の強みである新鮮な魚介類の仕入れができることを活かして、質の良い魚介類を使った日持ちする新商品を開発する。
  • 具体的には、新たに業務用の真空包装機を導入して、湯煎や電子レンジ調理だけですぐに食べられる魚料理を想定している。真空包装することで冷蔵保存なら1週間程度、冷凍保存なら1ヶ月程度の賞味期限を実現できる。
  • いわゆる「オンライン飲み会」が広がる兆しがあることを機会と捉えて、おつまみとしての用途も想定したパッケージや味わいにする。
  • 当社にとって、既存メニューのテイクアウトに+αの商品を提供できることで客単価の向上や新たなな顧客層の開拓が期待できる。お客様にとっても自宅で簡単に美味しい魚料理を食べられるメリットがある。
  • さらに、地元漁港からの仕入れ確保や気温が高い時期の食中毒リスクなどを考慮すると、加工品の開発は必要不可欠だと考えている。
  • スケジュールとしては、5月中に真空包装機の選定と新商品の試作、6月初旬に真空包装機の納入、6月中旬より新商品の販売開始いう流れを予定している。
  • この計画による新商品の販売数と売上の目標は次の表の通りである(図表3)。
図表3
2020年6月 2020年7月 2020年8月 2020年9月 2020年10月
販売数量 ○○個 ○○個 ○○個 ○○個 ○○個
売上 ○○円 ○○円 ○○円 ○○円 ○○円

3.上記1と2の認知度向上のための広報活動

  • これまでに記載した「1.テイクアウト用のホームページ機能拡大」及び「2.日持ちする新商品の開発」は新しい取組であり、当社の既存顧客及び当社の周辺住民に周知を図ることは必要不可欠であると考えられる。
  • そのために、テイクアウトのウェブ注文ができることや新商品の販売を告知するチラシを作成して当社より半径○kmの地域に50,000部ポスティングを行う。
  • スケジュールとしては、ホームページのリニューアルと新商品の販売開始に合わせてポスティングを行えるように、デザインなどの準備をすすめるものとする。

A~Cに関する取組

  • テイクアウト用ホームページの機能拡大及び日持ちする新商品の開発は、「B:非対面型ビジネスモデルへの転換」に該当する。
  • 本補助事業は、これまでの店内での飲食を前提とした事業とは全く異なるが、当社が仕入れられる新鮮な魚介類を非対面の新たな方法で顧客に提案すべく挑戦する。
補足
  • 「何をやるのか?」「それは自社や顧客にどんな利益をもたらすのか?」「どうやるのか?」「どんなスケジュールでやるのか?」「どのくらい売上をあげるのか?」という観点から記入するとよいです。
  • 補助事業ごとにスケジュールと数値目標を付記してください。もちろんスケジュールも図で説明して構いません。
  • 記入例では、広告宣伝活動は別項目として説明しました。これは2つの新しいことをはじめる設定だからです。必ずしも例のように書く必要はありません。
  • A~Cに関する取組は事務局の記入例を踏襲しました。補助事業が「A:サプライチェーンの毀損への対応」「B:非対面型ビジネスモデルへの転換」「C:テレワーク環境の整備」のどれに該当するか概要を記載すればよいと思われます。

5.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取組の中で、本補助金が経営上にもたらす効果

  • 新型コロナウイルス感染症の影響による売上急減で資金面の制約があるなかでも、当社、顧客、取引先の三方良しとなる取組が行える。
  • 既存メニューのテイクアウトのウェブ注文・決済導入と新商品の開発によって、当社の売上回復と業務負荷の軽減と顧客の利便性向上を両立できる。
  • 当社の売上が回復することは、主要仕入先である地元漁港の漁師の売上回復に直結する。結果的に、地域の食文化を守ることにも貢献できる。
  • 本補助金の計画を軌道にのせることで、これまでの飲食店とは異なる業務が増加する。これにより現在の雇用維持だけでなく、新たな雇用を地域に生み出せる可能性がある。
  • 本補助事業を行った結果の売上増加見込み(2020年10月時点)は、○○万円(テイクアウト販売○○万円、新商品の販売○○万円)である。
補足
  • コロナ特別対応型の記入例にはありませんが、他の持続化補助金の記入例には「地域への貢献」が言及されていることがほとんどです。今回も効果として、自社の売上向上の結果として、地域にどんな貢献ができるのか?も記載した方がよいでしょう。
  • コロナ特別対応型の記入例に、「本補助事業を行った結果の売上増加見込み」という記載があるため、「4.今回の申請計画で取り組む内容」で言及している場合も、もう1度売上増加見込みを書いておきましょう。

コロナ特別対応型の注意点

事務局ホームページと公募要領はしっかり読む

コロナ特別対応型に限りませんが、補助金申請にあたっては「公式」の情報を自分で確認することは基本です。事務局のホームページと公募要領はしっかり読んでください。

コロナ特別対応型のホームページはこちら

「計画の内容」は最大5枚は厳守

書類に「<計画の内容>は、合計最大5枚までとします。」という記載があります。これは一般型の持続化補助金にはありません。枚数の制限は必ず守ってください。「数行はみ出すくらいならいいでしょ」ということは通用しないと考えてください。

なお、このページの記入例をWord換算すると4.2枚分くらいになります。

持続化補助金の制度解説

持続化補助金のポイントや「一般型」と「コロナ特別対応型」の違いなどは別のページで解説しています。

持続化補助金の経営計画書を添削します

あなたが作成した持続化補助金の経営計画書をこのページを書いている中小企業診断士が添削します。「経営計画書を書いたけれど内容に不安がある」「 経営計画書を専門家の視点を加えてブラッシュアップしたい」という方はご相談ください。

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