飲食店を応援する方法のひとつに「新型コロナが収束してから飲食店で使う食事券」をクラウドファンディングで購入できるものがあります。食事券を購入してもらうクラウドファンディングの何がいいのか?、これまでに実施されたクラウドファンディングの購入金額の状況などをご覧になれます。
食事券を購入してもらうクラウドファンディングとは?
食事券を購入してもらうクラウドファンディングのイメージが湧かない方は、下記から具体的な募集のページをご覧ください。
なにがいいのか?
飲食店に早く現金が届くこと
食事券を購入してもらうクラウドファンディングなら、個々の飲食店には実際の来店よりも早く入金されます。売上急減による運転資金の不足に悩む飲食店にとってありがたいです。
飲食店の勇気になること
現実的には、クラウドファンディングだけで個々の飲食店の資金繰り問題を解決するほどの金額を集めるのは困難です。それでも、クラウドファンディングによって「自分の店にまた来たい人がいる」ことが可視化されることで、とても勇気づけられるはずです。
費用対効果が高いこと
食事券を購入してもらうクラウドファンディングを実行するコストはどのくらいなのでしょうか?仮に3,000,000円の購入(支援)があるとすると下記のようなイメージになります。※プラットフォームはCAMPFIREを前提。
- CAMPFIREのサービス手数料 3,000,000円×0%=0円
- CAMPFIREの決済手数料 3,000,000円×5%=150,000円
- 10%のプレミアム分 3,000,000円×10%=300,000円
- プロジェクト用画像のデザイン 50,000円~100,000円
- 食事券の作成・発送 ※購入者数による(食事券をメールで代用すれば0円)
直接的なコストは合計500,000~600,000円程度です。
いずれにしても、本当に効果があるかどうか不明なコストではなく、飲食店にとって3,000,000円以上の売上となることがわかるものです。
さらに、飲食店というサービスの特性から、クラウドファンディングで食事券を購入していない家族や友達と複数人で来店する割合が高いことも想定できます。クラウドファンディングの購入額以上の経済効果を地域の飲食店にもたらすでしょう。費用対効果が高い支援策と言えます。
※CAMPFIREは新型コロナウイルス感染症の影響を受けている飲食店などが、サービス手数料が無料・決済手数料5%のみで利用できる新型コロナウイルスサポートプログラム を実施しています。
現実的であること
新型コロナウイルス感染症が収束するとリバウンド消費のような状況が起こるかもしれません。地域の小さな飲食店にもチャンスでしょう。
一方、その時には大手の飲食チェーン店や全国の自治体が行う観光キャンペーンとの競争が待っています。地域の小さな飲食店が恩恵を受けられるとは限りません。
そうした状況を踏まえても、先に売上を確定させる食事券を購入しらうクラウドファンディングの取組みは現実的です。収束後には優先的に利用してもらいやすいでしょう。
どのくらい購入されているのか?
食事券を購入してもらうタイプのクラウドファンディングの5つのプロジェクトを合計して、食事券の金額別の購入者数などをまとめました。
食事券の金額 | 購入者数 | 購入者数に占める割合 | 購入金額の合計 | 購入金額の合計に占める割合 |
---|---|---|---|---|
1,000円 | 398 | 4.38% | 398,000 | 0.6% |
2,000円 | 1,598 | 17.58% | 3,196,000 | 4.81% |
3,000円 | 1,160 | 12.76% | 3,480,000 | 5.24% |
5,000円 | 2,835 | 31.19% | 14,175,000 | 21.34% |
10,000円 | 2,681 | 29.49% | 26,810,000 | 40.36% |
30,000円 | 287 | 3.16% | 8,610,000 | 12.96% |
50,000円 | 91 | 1.00% | 4,550,000 | 6.85% |
100,000円 | 37 | 0.41% | 3,700,000 | 5.57% |
300,000円 | 0 | 0.00% | 0 | 0% |
500,000円 | 3 | 0.03% | 1,500,000 | 2.26% |
購入者数では4.60%の30,000円以上の食事券を購入している人が、合計金額では27.64%を占めています。これからはじめる地域は高額のリターンも設定しておくといいかもしれません。
はじめるときに気をつけたいこと
飲食店にとって融資の代わりにはならない
クラウドファンディングが上手くいったとしても個々の飲食店の資金繰り問題を解決するほどの金額が集まる可能性は低いです。融資の代わりにはなりません。
飲食店が融資を受ける必要性については下記のページもご覧ください。
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける小さな飲食店(ご家族だけ~従業員10名以内くらい)が使いたい融資をはじめとした国の支援策やテイクアウトの売上を増やす方法を解説しました。
画像のデザイン費用を節約してはいけない
CAMPFIREのようなクラウドファンディングでは、プロジェクトのコピーと並んでメイン画像の見た目がとても大切です。適当につくったものでは上手くいきません。地域のデザイナーさんに依頼してください。
あらゆる手を尽くしてプロジェクトを知ってもらう必要がある
クラウドファンディングはプロジェクトの存在を知ってもらわないことには賛同者(購入者)は増えません。まだまだクラウドファンディングは一般的な消費者に浸透しているとはいえません。
地域が一体となって飲食店を応援する雰囲気をつくりプロジェクトを成功させるには、地元テレビや新聞から取材を受けることをはじめ、あらゆる手を尽くしてプロジェクトを知ってもらう努力が必要です。